筋トレ後に風邪をひきやすい理由とは?
頑張って運動や筋トレをした翌日や、仕事やプライベートが忙しく休めていない時に「喉が痛い」「風邪っぽい」と感じた経験はありませんか?

もしかするとそれは、免疫にスキができているオープンウィンドウ現象かもしれません。
オープンウィンドウ現象とは?
最新研究から見える〈オープンウィンドウ〉
筋トレ後に一時的に免疫が落ちる現象。強度の高い運動後、数時間~24時間ほど免疫機能が一時的に変動し、風邪などに感染しやすくなる期間があるとされます。この現象は1980年代から報告されており、これは「免疫のスキができる窓が開く」と表現されます。特にハードな筋トレ、長時間の持久運動後に多く見られます。既存の古典的概念だけでなく、最新の研究でもこの現象は確認されています。ただし、一部では既存解釈への異論もあります。
① 強度運動後の免疫変動
自転車競技選手における試験では、運動後2〜8時間でNK細胞数と機能が減少することが報告されています。20時間後には回復する傾向です。
② 最新レビューの再評価
近年のレビューは、「免疫抑制」ではなく、免疫細胞の再配置(peripheral tissueへの移動)と捉え直すべきだと提唱しています。この反応はむしろ監視能力の強化であり、感染リスク上昇と直結する証拠は乏しいとも述べています。
③ 高頻度・高強度の長期運動による影響
2024年の報告では、過剰な運動は「免疫低下」へ働く可能性があるものの、短期的な感染リスク上昇の証明は未だ限定的という指摘があります。
なぜ免疫が落ちるの?
この現象の背景には、主に以下の3つの要因が関係しています。
原因 | 内容 |
① ストレスホルモンの分泌 | 筋トレなど強い負荷によって、コルチゾールが分泌され、免疫細胞の働きが抑制されます。 |
② 白血球の減少 | 特にナチュラルキラー細胞(NK細胞)など、ウイルス監視役の数が減ることが報告されています。 |
③ 栄養とエネルギーの消耗 | トレーニング後に糖質やアミノ酸が枯渇し、免疫細胞の材料不足が起こります。 |
【オープンウィンドウ期間の体内変化】時間の経過と免疫の変化
時間帯 | 起こりやすいこと |
直後~3時間 | 免疫細胞の数が急減し、炎症性サイトカインが増加 |
3~12時間 | 粘膜免疫(IgA)の低下、感染防御力が落ちる |
12~24時間 | 栄養・休養が不十分だと回復が遅れ、風邪などに感染しやすい |
食事で対策、筋トレ後に免疫を落とさないために

対策項目 | 推奨内容 |
栄養補給 | 運動30分以内に糖質+たんぱく質補給(例:ホエイプロテイン+フルーツジュース) |
水分・電解質補充 | 脱水状態で免疫不全が進行しやすいため、ナトリウム・カリウムも同時に補給 |
適切な休養 | トレーニングと同程度に「休むこと」も重要。睡眠含め回復優先 |
抗炎症栄養素の摂取 | ビタミンC・D、亜鉛、オメガ3脂肪酸などで炎症リスクを抑制 |
適度な運動強度調整 | 過度なトレーニングは避け、中強度レベルを継続すると免疫にも良い |
おすすめの補食例
• プロテイン+オレンジジュース(ビタミンCと糖質)
• バナナ+無糖ヨーグルト(エネルギー補給と腸内環境サポート)
• サバ缶+おにぎり(オメガ3と糖質)

対策と予防策
長期的な視点でのファクト
単発の激しい運動「だけ」で免疫力が長期的に低下するという証拠は弱く、むしろ適度な運動は免疫力を高めることが複数のレビューで支持されています。
高齢者の筋トレ研究では、長期的に抗炎症マーカー(IL‑6・TNF‑α)が減少するなど、慢性的に免疫バランスに良い影響が示されています。
まとめ
確かに激しい運動後にNK細胞やIgAが一時的に減ることは事実ですが、これは血中の数が減るだけで、免疫抑制とは限らないという最新解釈があります。つまり、「免疫機能が再配置されたタイミングでリカバリーが遅れる」ことが原因ととらえるのが、最新の科学的コンセンサスのようです。ただし、体の防御網(粘膜+免疫細胞)の回復が遅れると、感染リスクが高まる可能性もあります。そのため、運動後の栄養と休養を重視するセルフケアが、免疫力維持のカギとなります。
「筋トレ後=免疫が強くなる」と思われがちですが、強度が高ければ一時的に“免疫の窓”が開くオープンウィンドウ現象があることを知っておきましょう。
とはいえ、しっかり栄養と休養を取れば、長期的には免疫力は高まります。
免疫を落とさずに、筋トレの効果を最大化するためには、トレーニング後の質の良い食事・水分・睡眠など体のケアが重要です。
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