お酒をたしなむ方にとって、肝臓の健康は一生のテーマです。
特に日本では肝臓がん(肝細胞がん)の罹患率が高く、慢性肝炎や肝硬変から進行するケースが多いことが知られています。
近年「コーヒーを飲む人は肝臓がんになりにくい」という研究が世界中で注目されています。
今回は、コーヒーがどのように肝臓を守るのか、その科学的根拠と習慣化のコツをお届けします。

コーヒーが肝臓がんを予防する3つの主な理由
① 抗酸化作用
コーヒーにはクロロゲン酸などのポリフェノールが豊富に含まれています。
これらが活性酸素を抑制し、肝細胞のDNA損傷を防ぎます。
DNA損傷の蓄積はがん化の引き金の一つであり、抗酸化作用がリスク低減に寄与していると考えられます。
最新論文
• Narita Y et al. (2020). Coffee consumption and hepatocellular carcinoma incidence: Systematic review and meta-analysis. Nutrients.
② 肝線維化の進行抑制
複数の研究により、コーヒーをよく飲む人は肝線維化(硬くなること)が進みにくいことがわかっています。
線維化は進行すると肝硬変を経て肝臓がんに繋がります。
コーヒーは炎症や線維化の進行を遅らせる保護作用が期待されます。
新しい知見
• 2021年の大規模コホート研究(Liver International誌)で、毎日2杯以上のコーヒー摂取が線維化リスクを約30%低下させることが示されました。
③ インスリン抵抗性の改善
糖尿病やメタボリックシンドロームは肝臓がんの大きなリスク因子です。
コーヒーにはインスリン感受性を高める作用があり、糖尿病予防にも寄与します。
結果的に肝臓への脂肪沈着や炎症を抑え、がん化リスクを低下させる可能性があります。
参考論文
• Poole R et al. (2017). Coffee consumption and health: umbrella review of meta-analyses. BMJ.

【表】コーヒーと肝臓がんリスク低減に関する主な研究
研究 | 対象 | 摂取量 | 主な結果 |
Kennedy OJ et al. (2017) | メタ解析(2,260症例) | 1日2杯以上 | 肝臓がんリスク 約40%低下 |
Narita Y et al. (2020) | システマティックレビュー | 1日3杯以上 | リスク約50%低下 |
Liver Int. (2021) | ヨーロッパのコホート | 毎日2杯 | 肝線維化進行リスク30%低下 |
Freedman ND et al. (2012) | 米国50万 |
お酒を飲む人にこそコーヒーが必要な理由
アルコールは肝細胞への酸化ストレスを増加させ、線維化を促進します。
習慣的飲酒が続くと肝機能は徐々に低下し、がんのリスクが高まります。
コーヒーには以下の「守る力」があります。
活性酸素を除去し細胞を保護
線維化や炎症の進行を抑制
糖代謝を改善し脂肪沈着を防止
つまり、「お酒によるダメージを相殺する一つの選択肢」として、コーヒーが非常に有用なのです。

習慣化のポイントと注意点
1日2~3杯が目安
これ以上増やしても大きく効果が上がるわけではないという研究が多いです。1日のカフェイン量としても2〜3杯までがよさそうです。
デカフェでも効果が期待できる
一部の研究ではカフェインに関係なくポリフェノールが作用すると報告されています。
空腹時は避ける
胃酸分泌を増やすため、食後に飲むと負担が少ないです。
持病がある方は医師に相談を
まとめ
コーヒーは「飲むだけで肝臓がんリスクを下げる可能性がある」貴重な食品です。
お酒をたしなむ方こそ、今日からコーヒーを毎日の習慣にしてみてください。
未来の健康を守る一歩になります。
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引用・参考文献
• Kennedy OJ et al. Gastroenterology. 2017.
• Freedman ND et al. N Engl J Med. 2012.
• Narita Y et al. Nutrients. 2020.
• Liver Int. 2021.
• Poole R et al. BMJ. 2017.
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